戸建賃貸で叶える実践的な相続対策|税務の落とし穴と成功事例、専門家との正しい付き合い方

前回の記事では、相続税の評価の仕組みや、戸建賃貸がどのように資産の「評価減」を生み出すかといった相続対策の基本をお伝えしました。

前回の記事「戸建賃貸で備える相続対策|評価の仕組みと節税の基本をわかりやすく解説」はこちら

 

「評価を知ることが第一歩」というテーマのもと、路線価・貸家建付地・分割のしやすさなど、戸建賃貸がもつ相続上の優位性を理解された方も多いと思います。

 

相続対策

 

今回はその続きとして、さらに一歩踏み込み、実践的な相続対策の考え方を解説します。

 

相続対策を成功させるためには、税務上の制度を正しく理解し、「どの特例が使えるのか」「どのように申告・引き継ぐのか」を具体的に把握することが欠かせません。

特に、「小規模宅地等の特例」や「負債控除」「生前贈与」などは、使い方ひとつで結果が大きく変わるポイントです。

 

また、税理士・設計士・不動産会社など専門家同士の連携も非常に重要です。

正しい情報と計画的な設計があってこそ、節税効果と資産保全を両立できます。

 

本記事では、戸建賃貸を活用した相続対策をより確実にするための税務の落とし穴と、専門家と組む最適プランの立て方について、わかりやすくお伝えします。

 

注意すべき税務上のポイント

戸建賃貸を活用した相続対策は、相続税評価額の圧縮効果を得られるという大きなメリットがある一方、税務の仕組みを正しく理解していないと、思わぬ落とし穴にはまることもあります。

 

ここでは、戸建賃貸を建てる・運用する際に押さえておきたい3つの重要な税務ポイントを解説します。

建築費や借入金の扱い 「負債控除」で相続税が減る

賃貸用の戸建を建築する際、多くの方は金融機関から融資を受けて建てるケースが一般的です。

このときにポイントとなるのが、相続税計算で借入金が“負債”として控除できるということです。

 

たとえば、建築資金として5,000万円の借入を行い、賃貸住宅を建てた場合、相続時点での借入残高が3,000万円であれば、その分は相続財産から差し引くことが可能です。

 

つまり、「貸家建付地」として評価が下がる、さらに「借入金控除」で評価額から差し引けるという “二重の圧縮効果” が得られるのです。

 

節税対策

 

ただし、注意すべきは 名義の一貫性 です。借入金の名義と物件の所有者が異なる場合、控除が認められないことがあります。

また、親子で共同名義にする場合も、出資割合・借入割合を明確にしておく必要があります。

 

建築段階から税理士や金融機関と連携し、「誰の名義で建て、誰が借り入れるか」を整理しておくことで、後のトラブルや控除漏れを防ぐことができます。

 

「小規模宅地等の特例」を正しく使う

不動産の相続において非常に大きな節税効果をもたらすのが、「小規模宅地等の特例」です。

これは、一定の条件を満たせば、相続税を計算する際に土地の評価額を最大80%まで減額できる制度です。

 

この特例は、主に「居住用」「事業用」「賃貸用」に分かれており、戸建賃貸を所有している場合は「貸付事業用宅地」として対象になる可能性があります。

 

適用を受けるためには、次のような条件を確認しておきましょう。

 

  • 被相続人(亡くなった方)が生前に賃貸事業を行っていたこと
  • 相続人がその賃貸事業を継続して行う意思を持っていること
  • 相続開始時点で貸し付けが実際に行われていること

 

この条件を満たしていれば、最大200㎡まで50%減額されるケースもあり、戸建賃貸を複数棟保有している方にとっては非常に大きな節税効果となります。

 

ただし、相続前に更地にしてしまうと対象外になるため、「相続の直前まで賃貸契約を継続しているか」が重要なポイントです。

 

節税目的だけで建てて放置するのではなく、実際に入居者がいて稼働している“事業用資産”として維持することが、特例を活かすカギになります。

 

生前贈与を活用して、将来の相続負担を分散

もう一つ検討すべき方法が、生前贈与による資産の分散です。

相続発生後に一度にすべての不動産を相続するよりも、生前のうちに少しずつ贈与しておくことで、結果的に相続税の総額を抑えることができます。

 

特に、戸建賃貸は棟ごとに独立した不動産資産のため、「1棟を長男へ」「1棟を次男へ」といった形で計画的な贈与がしやすいのが大きなメリットです。

 

また、贈与時に評価額が低いタイミング(建築直後や賃貸稼働初期)を選べば、贈与税負担を最小限に抑えることも可能です。

 

ただし、以下の点には注意が必要です。

 

  • 贈与税には年間110万円の基礎控除しかない
  • 相続発生から3年以内の贈与は「相続財産に持ち戻し」される
  • 不動産の名義変更や登記費用も発生する

 

そのため、贈与を行う際は、税理士や司法書士のサポートを受けながら、「相続時精算課税制度」や「住宅取得等資金贈与の非課税制度」などの制度を併用すると効果的です。

 

戸建賃貸の“節税効果”を最大化するには?

相続・贈与の税制は毎年見直しが行われており、制度改正の影響を受けやすい分野です。

最新の情報を踏まえ、建築計画の段階から税理士・不動産会社・設計士が連携することで、「建てる目的」と「節税効果」を両立させることができます。

 

ecruでは、デザイン性や居住性だけでなく、長期的な資産形成・税務対策まで視野に入れた提案を行っています。

“相続に強い戸建賃貸”を実現するために、今のうちから正しい準備を始めることが大切です。

 

専門家と連携して最適なプランを

戸建賃貸を活用した相続・税務対策は、単なる「節税テクニック」ではなく、ご家族の将来を見据えた資産設計そのものです。

相続というのは、一度発生すると取り返しがつかないもの。

だからこそ、「建てる前」「贈与する前」「申告する前」に、税務・不動産・建築の3つの専門領域が連携していることが、成功のカギになります。

 

相続税

 

税務面:税理士による最適な制度選択

相続税や贈与税の仕組みは非常に複雑で、適用できる控除や特例も、所有形態・家族構成・利用状況によって変わります。

 

たとえば、

 

  • 「小規模宅地等の特例」が使えるかどうか
  • 負債控除の対象になる借入金の範囲
  • 生前贈与と相続時精算課税制度の使い分け

 

これらを正確に判断できるのは、税法に精通した専門家だけです。

節税のつもりで行ったことが、のちに「特例の対象外」となり、かえって税負担が増えてしまうケースも珍しくありません。

 

税理士と早い段階から相談し、“法の範囲内で最大限のメリットを得る”設計を行いましょう。

 

不動産・建築面:土地の特性を最大限に活かす

税務上の効果を出すためには、土地の使い方が非常に重要です。

「どこに・どんな建物を建てるか」で、評価額や収益性が大きく変わります。

 

たとえば、

 

  • 路線価の高いエリアでは建物で評価を分散させる
  • 変形地や旗竿地では戸建賃貸のスリム設計で有効活用
  • 将来的な分割を見据え、1棟ごとに独立したプランにする

 

このような設計上の工夫は、建築と不動産の知識を併せ持つ専門家でなければできません。

単に建てるだけでなく、「相続後もスムーズに活かせる資産設計」を意識したプランニングが求められます。

 

ecruでは、土地の形状・法規制・賃貸需要をすべて踏まえた上で、「建てて終わり」ではない“長期目線の設計”を提案しています。

 

ファミリー面:家族の意思をすり合わせておく

もうひとつ見落とされがちなのが、家族の気持ちの整理です。

相続が「税の話」だけで終わらないのは、そこに人の感情や想いが関わるからです。

 

「誰が何を引き継ぐのか」「どんな形で残すのか」を事前に共有しておくことで、相続発生後のトラブルや誤解を未然に防ぐことができます。

 

戸建賃貸を複数棟に分けておけば、それぞれの子どもや家族に合わせた“分け方”を柔軟に決められるため、家族全員が納得できる資産承継につながります。

 

ecruが考える「相続に強い戸建賃貸」とは

ecruでは、単に“建物をデザインする”だけでなく、相続・税務・ライフプランまでを一体で考える家づくりを大切にしています。

 

  • デザイン性の高さで入居率を維持
  • 設計段階から相続・税務を意識したプランニング
  • 専門家ネットワークによるサポート体制

 

こうした総合的な視点で、「建てて終わり」ではなく、「次の世代まで続く価値」を残すことを目指しています。

 

相続対策は、まだ“問題が起きていない今”こそ始めるべきもの。

土地や建物をどう残すか、誰に引き継ぐか、その答えを、戸建賃貸というかたちでデザインしてみませんか。

 

まとめ

相続対策というと、「節税」や「評価額の圧縮」といった数字の話に目が向きがちです。

しかし本質は、家族が安心して次の世代へ資産を受け継ぐための仕組みづくりにあります。

 

戸建賃貸は、相続税を抑えるだけでなく、資産としての柔軟性・収益性・分割のしやすさを兼ね備えた“次世代型の土地活用”です。

税理士・設計士・不動産のプロが連携することで、「建てて終わり」ではなく「残してつながる」資産設計が可能になります。

 

エクリュ横浜

 

ecruでは、デザイン性・機能性・税務の視点を統合したプランで、オーナー様の“未来を守る家づくり”をサポートしています。

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ライター:森田 貴大 AM事業部

 

森田貴大

不動産売買全般と土地活用のご提案として『戸建賃貸エクリュ』の建築に携わっております。

CPM(不動産経営管理士)の理論を基に投資分析を行い、資産運用のお手伝いをいたします。

また、『戸建賃貸エクリュ』だけでなく、お客様の大切な資産である土地を、どう活用していくことが最善なのかを提案いたします。

 

不動産の購入や売却、資産運用など不動産に関するお困りごとがあれば、是非是非お気軽にご相談ください。

 

「所持資格」

CPM®(公認不動産経営管理士)/宅地建物取引士/相続アドバイザー