戸建賃貸とアパート経営を比較。NOI利回り・ランニングコストで見る本当の手残り
土地活用を検討する際、よく比較されるのが「戸建賃貸」と「アパート経営」です。
一般的には、同じ土地であれば複数戸を建てられるアパートの方が家賃収入は大きくなりやすく、表面利回りも高く見えることがあります。
そのため、「戸建賃貸よりアパートの方が収益性は高いのでは?」「戸建賃貸は1戸あたりの収入しかないから、投資として弱いのでは?」「土地活用をするなら、やはりアパート経営の方が有利なのでは?」と考える方も少なくありません。
しかし、賃貸経営で大切なのは、家賃収入の大きさだけではありません。
実際に重要なのは、管理費・清掃費・共用部の電気代・消防点検費・修繕費などのランニングコストを差し引いたあと、どれだけ手元にお金が残るかという点です。
戸建賃貸は、アパートに比べて共用部分が少ないため、日常的なランニングコストを抑えやすいという特徴があります。
そのため、表面利回りではアパートの方が高く見えても、実際の手残りで比較すると、戸建賃貸の方が有利になるケースもあります。
今回は、戸建賃貸とアパートを比較しながら、ランニングコストやNOI利回りの違いから、戸建賃貸の収益性について分かりやすく解説します。

目次
戸建賃貸とアパート経営は、表面利回りだけで比較してはいけない
土地活用や不動産投資を検討する際、多くの方が最初に確認するのが「表面利回り」です。
表面利回りとは、年間の満室想定家賃収入を建築費や投資額で割ったものです。
例えば、年間家賃収入が500万円、投資額が4,000万円の場合、
500万円 ÷ 4,000万円 = 表面利回り12.5%
となります。
表面利回りは分かりやすい指標ですが、これだけで戸建賃貸とアパート経営の収益性を判断するのは注意が必要です。
なぜなら、表面利回りには以下のような費用が含まれていないからです。
- 空室による家賃収入の減少
- 管理会社へ支払う管理費
- 共用部の電気代
- 共用部の水道代
- 定期清掃費
- 消防設備点検費
- 共用部分の修繕費
- 原状回復費
- 長期的なメンテナンス費用
つまり、表面利回りが高く見える物件でも、実際に運営を始めるとランニングコストが多くかかり、思ったほど手元にお金が残らないケースがあります。
土地活用では、「どれだけ家賃収入があるか」だけでなく、「どれだけ支出を抑えられるか」という視点が非常に重要です。
表面利回りだけでは分からない実際の収益性を見るために参考になるのが「NOI利回り」です。
NOI利回りは、空室損や物件の運営費を考慮して算出するため、実際の賃貸経営により近い収益性を比較できます。
NOI利回りの意味や計算方法を詳しく知りたい方はこちら
⇒ 「NOI利回りとは?計算方法・表面利回りとの違いを具体例でわかりやすく解説」
戸建賃貸エクリュと木造アパートを数字で比較
ここでは、戸建賃貸エクリュと木造アパートを比較してみます。

表面利回りだけを見ると、木造アパートは13.6%、戸建賃貸エクリュは13.2%です。
この数字だけを見ると、木造アパートの方が収益性が高いように感じるかもしれません。
しかし、空室損や管理費、共用部の維持費などを差し引いたNOI利回りで比較すると、結果は逆転します。
戸建賃貸エクリュのNOI利回りは11.3%、木造アパートAのNOI利回りは10.6%です。
つまり、表面利回りではアパートの方が高く見えても、実際の手残りで見ると戸建賃貸の方が上回るケースがあるということです。
これは、戸建賃貸がアパートに比べてランニングコストを抑えやすいことが大きな理由です。
戸建賃貸とアパートのランニングコスト比較
戸建賃貸とアパート経営では、建物の構造や運営方法が異なるため、日常的に発生するランニングコストにも違いがあります。
特に大きな違いは、共用部分の有無です。
アパートには共用廊下や共用階段、共用灯、ゴミ置き場などがあるため、入居者がいてもいなくても一定の維持管理費が発生します。
一方、戸建賃貸は1戸ごとに独立しているため、アパートのような共用部分が少なく、共用部に関する支出を抑えやすいという特徴があります。

このように、アパート経営は複数戸から家賃収入を得られるため、満室時の収入は大きくなりやすいです。
しかし、その分、建物全体を維持するためのランニングコストも発生しやすくなります。
一方で、戸建賃貸は共用部分が少ないため、毎月・毎年の固定的な支出を抑えやすく、結果として安定した手残りにつながりやすいのです。
戸建賃貸とアパートを比較するときに確認したい支出
アパート経営は収入が大きい一方で、支出も増えやすい
アパート経営の魅力は、複数の部屋から家賃収入を得られることです。
例えば、1棟に6戸、8戸、10戸と部屋数があれば、満室時の家賃収入は大きくなります。
そのため、土地活用の提案資料などでは、アパート経営の表面利回りが高く見えることがあります。
しかし、アパートには共用部分があるため、以下のような費用が発生しやすくなります。
- 共用灯の電気代
- 共用廊下や階段の清掃費
- 消防設備点検費
- 受水槽やポンプ設備の点検費
- ゴミ置き場の管理費
- 外構や植栽の管理費
- 共用部の修繕費
- 退去時の原状回復費
また、戸数が多いということは、その分、退去や設備故障、入居者対応が発生する可能性も高くなります。
もちろん、アパート経営にもメリットはあります。
ただし、表面利回りだけを見て判断すると、実際の運営で発生するランニングコストを見落としてしまう可能性があります。
アパート経営では、満室時の収入は大きいが、固定的な支出も増えやすいという点を理解しておくことが大切です。
戸建賃貸はランニングコストを抑えやすい
戸建賃貸の大きなメリットは、アパートに比べてランニングコストを抑えやすいことです。
戸建賃貸は1戸ごとに建物が独立しているため、アパートのような共用廊下や共用階段がありません。
そのため、共用部の電気代や定期清掃費、共用部分の修繕費などが発生しにくくなります。
また、戸建賃貸はファミリー層からの需要が期待しやすい点も特徴です。
ファミリー層は、単身者に比べて長期入居になりやすい傾向があります。
長く住んでもらえれば、退去の回数が減り、原状回復費や募集費用を抑えやすくなります。
つまり、戸建賃貸は、
- 毎月のランニングコストを抑えやすい
- 長期入居によって退去コストを抑えやすい
- 結果として安定した手残りにつながりやすい
という特徴があります。
土地活用を長期的に考える場合、これは大きなメリットです。
戸建賃貸が土地活用に向いている土地とは
戸建賃貸は、すべての土地に向いているわけではありません。
しかし、アパートを建てるには広さや形状が合わない土地でも、戸建賃貸であれば活用しやすいケースがあります。

例えば、以下のような土地です。
- アパートを建てるには面積がやや小さい土地
- 変形地や旗竿地
- 駐車場を確保しやすい郊外の土地
- ファミリー需要が見込める住宅地
- 周辺に戸建住宅が多いエリア
- アパート供給が多く、差別化が必要なエリア
戸建賃貸は、アパートのように多くの戸数を確保することはできません。
しかし、駐車場付き、庭付き、メゾネットタイプ、戸建感覚で住める住まいなど、入居者にとって魅力を感じやすい特徴を持たせることができます。
特に、エクリュのような戸建賃貸は、一般的なアパートとは違う住み心地を提供できるため、周辺物件との差別化にもつながります。
土地活用では、単純に戸数を増やすことだけが正解ではありません。
エリアの賃貸需要や土地の形状に合わせて、長期的に安定して運用できる建物を選ぶことが大切です。
戸建賃貸による土地活用が向いている人
土地活用を考える際、どうしても目が行きやすいのは表面利回りです。
しかし、実際の賃貸経営では、表面利回りよりも「手残り」が重要です。
どれだけ満室時の家賃収入が高くても、ランニングコストや修繕費が多くかかれば、手元に残るお金は少なくなります。
その点、戸建賃貸は共用部分が少なく、日常的な管理コストを抑えやすいため、手残り重視の土地活用と相性が良いといえます。
特に以下のような方には、戸建賃貸が向いている可能性があります。
- アパート経営ほど大きな管理負担をかけたくない方
- ランニングコストを抑えた土地活用をしたい方
- 長期的に安定した賃貸経営を目指したい方
- ファミリー向けの賃貸需要がある土地をお持ちの方
- 将来的な売却や資産分割も視野に入れたい方
- アパート以外の土地活用方法を検討している方
戸建賃貸は、表面利回りだけを見るとアパートより低く見える場合があります。
しかし、ランニングコストや空室リスク、管理負担まで含めて考えると、長期的に安定した収益を得やすい土地活用の方法といえます。
戸建賃貸にも注意点はある
戸建賃貸には、ランニングコストを抑えやすいというメリットがあります。
ただし、メリットだけで判断するのではなく、注意点も理解しておく必要があります。
例えば、戸建賃貸は1戸あたりの建物面積が大きくなるため、退去時の原状回復費がアパートの1室より高くなる場合があります。
また、1戸が空室になると、その戸建の家賃収入はゼロになります。
そのため、賃貸需要のあるエリアかどうか、家賃設定が適切かどうか、長期入居が期待できる間取りかどうかを事前に確認することが重要です。
ただし、ファミリー層の需要が見込めるエリアで、駐車場や間取り、住環境が合っていれば、長期入居につながりやすく、安定した賃貸経営を目指すことができます。
戸建賃貸は、ランニングコストを抑えながら、長期的な手残りを重視したい方に向いている土地活用といえます。
まとめ:表面利回りだけでなくランニングコストと手残りで比較しよう
戸建賃貸とアパート経営を比較する際、表面利回りだけを見るとアパートの方が有利に見えることがあります。
アパートは複数戸から家賃収入を得られるため、満室時の収入が大きく、表面利回りも高く出やすいためです。
しかし、実際の賃貸経営では、管理費、清掃費、共用部の電気代、消防点検費、修繕費などのランニングコストが発生します。
そのため、土地活用では表面利回りだけでなく、NOI利回りや実際の手残りまで含めて比較することが大切です。
今回の比較では、表面利回りは木造アパートAが13.6%、戸建賃貸エクリュが13.2%でした。
一方で、空室損や運営費を差し引いたNOI利回りでは、戸建賃貸エクリュが11.3%、木造アパートAが10.6%となり、戸建賃貸エクリュの方が高い結果となりました。
つまり、戸建賃貸は表面利回りでは低く見えても、ランニングコストを抑えやすいため、実際の手残りではアパートを上回るケースがあるということです。
土地活用で大切なのは、見た目の利回りだけではありません。
長期的に安定した賃貸経営を行うためには、どれだけ家賃収入があるかだけでなく、どれだけ支出を抑えられるかという視点が重要です。
戸建賃貸とアパート経営で迷われている方は、表面利回りだけで判断せず、ランニングコストやNOI利回り、実際の手残りまで含めて比較してみてはいかがでしょうか。
エクリュでは、土地の形状や周辺の賃貸需要に合わせて、戸建賃貸による土地活用をご提案しています。
「アパートを建てるべきか、戸建賃貸が向いているのか分からない」「所有地でどれくらいの収益が見込めるのか知りたい」「ランニングコストまで含めた収支を確認したい」「表面利回りではなく、実際の手残りで比較したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
ライター:森田 貴大 AM事業部
「素直な心と真摯な対応」
不動産の投資コンサルをメインに、土地活用のご提案として『戸建賃貸エクリュ』の建築に携わっております。
CPM(不動産経営管理士)の理論を基に投資分析を行い、資産運用のお手伝いをいたします。
また、『戸建賃貸エクリュ』だけでなく、お客様の大切な資産である土地を、どう活用していくことが最善なのかを提案いたします。
資産運用や土地活用だけでなく、不動産に関するお困りごとがあれば、是非是非お気軽にご相談ください。
「所持資格」
CPM®(公認不動産経営管理士)/宅地建物取引士
