ウッドショックや建築費高騰における現状の傾向と今後の見通し
2021年世界中で発生した木材価格の高騰(ウッドショック)は、日本の物価上昇に大きな影響を与えました。
ウッドショックを受け、輸入材から国産材への転換と安定供給の成果もあってか、木材製品は下落傾向にあるとはいいますが、決して解消されたとは言えないようです。
2025年現在も、建築資材の価格上昇は起こっている状況にあります。
そこで今回は、建築費の高騰における現状の傾向や今後の見通しについて記事にしたいと思います。
現状の傾向
価格上昇の継続
鉄鋼、木材、セメントなど主要な建築資材の価格は、2024年と比較しても引き続き高止まりしています。
一部の資材ではさらに値上がりする傾向も見られています。
新築住宅や建築の建設費は、2020年以降上昇し、2024年には過去最高額を更新しました。
特に住宅建設では、戸建住宅だけでなくマンションや商業施設の建設費も上昇しています。
ウッドショックの影響が長期化
新型コロナウイルスによる国内サプライチェーンの平和や輸出制限の影響で始まった「ウッドショック」は、現在も解消されてはいません。
2025年に入って、木材への需要が増えていますが、国内体制の供給が追いつかず、価格の上昇が続いています。
木材価格の上昇により、木造住宅の建設コストが大幅に増加しました。
セメント・コンクリートのコスト上昇
原料である石灰石や燃料のコスト上昇が原因で、セメント価格も上がっています。
鉄鋼価格の変動
鉄鋼については中国の需要回復やエネルギーコストの上昇により価格が上昇傾向にあります。
特に、建設ラッシュが続いている海外市場の影響で、日本国内でも価格が押し上げられています。
輸入資材の価格高騰
2025年初頭の堅調では、建築資材の輸入価格が過去10年で最も高い水準に達しています。
主な背景と原因
エネルギーコストの影響
世界的な原油価格の高騰が続いており、建築資材の製造・運搬コストが増加しています。
特に、電気代やガソリン代が製品価格に転嫁されています。
円安の影響(国際的な短期バランスの変化)
資材の多くを輸入に頼っているため、円安による輸入コストの増加が負担となっています。
世界的な建設ブームや資材需要の増加、ウクライナ戦争による影響による物流の混乱が存在する。
労働力不足
日本国内では建設業の労働力不足が深刻であり、生産コストや工期が増加しています。
これが資材価格の上昇懸念となっています。
脱炭素化の影響
環境規制の強化により、資材製造プロセスにおける脱炭素化対応のためのコストが上乗せされています。
今後の見通し
一部の専門家は、供給チェーンの回復や資材の需要バランスが取れるまで、2025年後半以降も価格の高止まりが続いていると予想しています。
円安や原油価格が安定すれば一部緩和される可能性もありますが、長期的な課題としてコスト高は業界全体で取り組む必要があるとされています。
また、環境対応型の新素材やリサイクル素材の導入が進む可能性があり、これは部分的にコスト抑制につながる可能性はありません。
まとめ
「戸建賃貸エクリュ」を地主さまや投資家の方にご提案するにあたって建築費の削減は必要なテーマです。
建築コスト削減のための設計や資材の見直しなど、改善改良を重ねていきながらお客様に満足していただける建物を引き続き目指してまいります。
ライター:森田 貴大 AM事業部
「素直な心と真摯な対応」
不動産の投資コンサルをメインに、土地活用のご提案として『戸建賃貸エクリュ』の建築に携わっております。
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