賃貸住宅もZEH住宅であるべきなのか
皆さんこんにちは。
ZEH住宅について改めて考えてみたのでコラムにします。
ZEHとは
ZEHとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称です。
ZEH住宅というと、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現したうえで、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロを目指す省エネ性能の高い住宅をいいます。
(参照:経済産業省資源エネルギー庁)
近年は、ZEH基準を満たす賃貸住宅の供給も大手ハウスメーカーを中心に増えているようです。
賃料も周辺相場より高く設定していると聞きますが、果たして入居募集への影響はどうなんでしょうか?
ZEH住宅の基準を満たすためには、断熱性と気密性が高い住宅にすることで消エネを実現し、太陽光発電をメインとした家庭用燃料電池や蓄電池などを組み合わせて創エネを実現しなくてはなりません。
(参照:経済産業省資源エネルギー庁)
つまりそれだけの初期コストが嵩んでしまうということです。
高性能な設備が導入されていることで、エネルギーの消費量が削減されランニングコストが軽減されますし、高断熱で機密性が高い住宅という点も入居者にとっては嬉しいでしょう。
しかし、オーナー(施主)にとって賃貸住宅をZEH基準にするということは、導入コストを賃料で回収していかなくてはならないわけです。
勧められるがままZEH住宅を建てるのではなく、あくまで投資としての住宅であるという目線を忘れてはいけません。
ZEH普及の目標
ZEH普及の目標として政府は3つの目標を打ち出しています。
(1)エネルギー基本計画
2014年4月に閣議決定した「エネルギー基本計画」で、「2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHを目指す」と定められました。
また、2018年7月に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」においては、「2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」としています。
(2)地球温暖化対策計画
「地球温暖化対策計画」(2016年5月閣議決定)において、「2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上をZEHにすることを目指す」としています。
(3)未来投資戦略2017
2017年6月に閣議決定された「未来投資戦略2017」では、「2030 年までに新築住宅・建築物について平均で ZEH・ZEB 相当となることを目指す」こととし、中短期工程表のKPIとして「2030年の新築住宅及び新築建築物について平均でZEH、ZEBの実現を目指す」こと、及び「2020年の新築住宅の省エネ基準適合率を100%とし、ハウスメーカー等の新築注文戸建住宅の過半数をネット・ゼロ・エネルギー・ハウス化する」ことを位置付けています。
※ZEB:ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの略称
そして、ZEH住宅の普及のために政府は補助金を出しています。
2019度の補助金額は、1戸あたり70万円としており、発電したエネルギーを蓄えておける「蓄電池」を設置すると、1kWhごとに2万円の補助金がもらえます。
こうして国が推進し補助金制度を設けていることも追い風となり、大手ハウスメーカーを中心に要請が増えているのです。
まとめ
もちろん自分が住む注文戸建住宅をZEH住宅にすることは、自分が住みたい家に住むための投資ですから良いと思います。
しかしZEH住宅の普及という政府の目標と賃貸住宅の新築投資は全くの別物であるということは、改めて伝えなくてはなりません。
土地活用の悩みや、賃貸経営でのご相談などございましたら、ご連絡のほど是非よろしくお願い申し上げます。
ライター:森田 貴大 AM事業部
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