不動産を何度も売ると宅建業法違反になる?反復継続の考え方と注意点
相続した土地を分割して売りたい。
所有している区分マンションを数戸売却したい。
投資用に購入した不動産をタイミングを見て売りたい。
このような場面で注意したいのが、宅地建物取引業法における「反復継続」の考え方です。

宅建業の免許を持たない個人が、利益を得る目的で不動産の売買を繰り返すと、「宅地建物取引業を無免許で行っている」と判断される可能性があります。
反復継続とは?
反復継続とは、簡単にいえば「不動産取引を事業のように繰り返し行うこと」です。
※参考:宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(令和8年4月1日施行版)
ただし、宅建業法には「何回以上売買したら違反」といった明確な回数基準はありません。
1回だけなら必ず安全、2回なら違反、3回なら違反という単純な判断ではなく、取引の目的、回数、売却方法、買主の人数、利益性、継続性などを総合的に見て判断されます。
たとえば、自宅を1回売却するだけであれば、通常は宅建業には該当しません。
一方で、土地を仕入れて区画割りし、複数の買主へ販売するような場合は、たとえ元は1つの土地であっても、事業性が高いと見られる可能性があります。
何回から違反?基準の考え方
大切なのは「回数」だけではなく、「不特定多数に向けて利益目的で売っているか」です。
たとえば、相続した土地を3区画に分け、それぞれ別の買主に売却するケースでは、複数の取引が発生します。
本人としては「相続財産を整理しているだけ」と考えていても、外形上は分譲販売に近く見えるため、慎重な判断が必要です。
また、年に2回程度の売買であっても、毎年のように物件を購入して売却している場合は、継続的な不動産取引と見られる可能性があります。
逆に、やむを得ない事情による単発の売却であれば、宅建業に該当しないと考えられるケースもあります。
違反した場合の罰則
無免許で宅建業を営んだと判断された場合、宅建業法上、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。
宅建業法12条は無免許営業を禁止しており、罰則は同法79条に定められています。
「知らなかった」では済まされないリスクがあるため、複数の不動産売却を検討している方は、事前確認が重要です。
ケーススタディ
ケース1:相続した土地を3区画に分けて売る場合
相続財産の整理であっても、3区画に分けて別々の買主へ売却する場合は、反復継続性や事業性を疑われる可能性があります。
特に造成、広告、価格設定、販売活動を本格的に行う場合は注意が必要です。

ケース2:年に2回、投資用マンションを売却する場合
単に資産整理として数戸を売るだけなら問題にならない場合もあります。
しかし、毎年のように購入と売却を繰り返し、利益を目的としている場合は、宅建業に該当する可能性があります。
ケース3:買取業者へ一括売却する場合
複数区画にして一般の買主へ販売するのではなく、不動産会社や買取業者へ一括で売却する方法であれば、反復継続と見られるリスクを抑えやすくなります。
ただし、売却価格が一般販売より低くなる可能性もあるため、価格とリスクのバランスを考える必要があります。
違反を避ける3つの方法
1つ目は、不動産会社に相談し、売却方法を整理することです。
自己判断で分割販売を進める前に、宅建業法上のリスクを確認しましょう。
2つ目は、可能であれば一括売却を検討することです。複数の買主に分けて売るよりも、反復継続と判断されるリスクを抑えられる場合があります。
3つ目は、継続的に不動産売買を行う予定があるなら、宅建業免許の取得も視野に入れることです。不動産投資を事業として拡大するなら、法令に沿った体制づくりが欠かせません。
相続した土地を分割売却する場合は特に注意
相続した土地は、面積が大きく、そのままでは売りにくいことがあります。
そのため、分筆して複数の買主に売却したいと考える方も少なくありません。

しかし、この方法は高く売れる可能性がある一方で、宅建業法上のリスクも高まります。
税金面でも、譲渡所得税、印紙税、測量費、造成費などが発生するため、手取り額を事前に試算することが大切です。
自分のケースが反復継続に該当するのか、不安な方は早めに専門家へ相談しましょう。
土地活用、相続不動産の売却、賃貸経営、収益物件の整理など、お客様の状況に合わせて、リスクを抑えた売却方法をご提案いたします。
ライター:森田 貴大 AM事業部

不動産売買全般と土地活用のご提案として『戸建賃貸エクリュ』の建築に携わっております。
CPM(不動産経営管理士)の理論を基に投資分析を行い、資産運用のお手伝いをいたします。
また、『戸建賃貸エクリュ』だけでなく、お客様の大切な資産である土地を、どう活用していくことが最善なのかを提案いたします。
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「所持資格」
CPM®(公認不動産経営管理士)/宅地建物取引士/相続アドバイザー
